予防歯科 ~虫歯・歯周病を防ぐ手段~Preventive Dentistry
予防歯科って何?PMTC、フッ素について
① 予防歯科とは?
歯科治療の先進国「フィンランド」や「スウェーデン」では20年以上も前からこの考え方を導入して、虫歯の数を激減させました。
では具体的にこの予防歯科とはどんなものでしょうか?具体的にはお口の専門的なお掃除(PMTC)、個々に合った歯の磨き方のご指導、虫歯予防となるフッ素塗布、定期的な虫歯のチェックなどを行うことです。
② PMTCって何?
しかし最近もう1つ歯周病や虫歯の予防に大変役に立つことがこの「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)だと言われるようになりました。
「PMTC」を簡単に説明すると、毎日の自分で行なう歯磨きで落ちない歯の汚れを歯医者さんで専用機器を用いてきれいにクリーニングする“プロによる歯の清掃”のことです。
約20年ほど前にむし歯、歯周病の予防管理を目的として北欧でシステム化され、現在多くのリサーチに裏付けられて着実な臨床実績を上げています。
虫歯の原因となる細菌は歯の表面に“細菌バイオフィルム”と呼ばれる薄い膜を作り増殖していきます。ちょうどお風呂のヌルヌルと同じです。
“細菌バイオフィルム”ができてしまうと、日常生活のブラッシングで除去することは不可能となってしまいます。厄介なことに、抗菌性の薬も弾き返してしまうほどの強さをもっています。 PMTCはで“細菌バイオフィルム”を取り除くことができます。
PMTCをすることによりツルツルに磨かれた歯面はプラークがつきにくくなります。
特に、タバコのヤニや茶渋など着色が気になる方や歯槽膿漏、口臭の気になる方にお勧めです。
PMTCと毎日のホームケアで、歯の健康を維持しましょう。
PMTC後は、ご希望により、ホワイトニングやフッ素入り洗口剤についてご説明をしております。
{PMTCの効果}
歯周炎、歯槽膿漏、口臭の予防 知覚過敏、虫歯の進行抑制
② フッ素の歯面塗布
フッ素濃度としては9000ppmです。塗布した後は30分ほど飲食・ゆすぎを控えると効果的です。
通常のう蝕感受性(虫歯のなりやすさが普通)の方は年2,3回行い、虫歯になりやすい人は適宜塗布回数を増やします。
※ 生後10ヶ月からおよそ3年間定期的に行った報告では乳歯の虫歯制御率は30%~70%であったことが報告されています。
虫歯・歯周病予防の重要性
歯石は放置すると歯周病を悪化させたり(歯が揺れだす)、汚れがつきやすくなったり(口臭や虫歯を誘発する)いいことはありません。
歯が揺れだすなどの歯周病症状が出てから歯石をとってももう手遅れ。揺れをとめることは非常に難しくなります。
ですから症状が出る前に付いてきた歯石は定期的にとるようにしましょう!!
当院では4~6ヶ月に1回の定期的な清掃と虫歯のチェックのためのご来院(定期検診)おすすめしています。
上の写真のように歯石はパッと見ると付いているのか付いていないのかよくわかりませんが、歯石を取った後と比べてみると一目瞭然です。(この写真ではまだ着色はとっていません)
歯石などで表面がザラザラした歯には虫歯菌やプラークが付きやすくなります。PMTCなどで歯の表面がツルツルになると虫歯菌も滑り落ちやすくなり付きにくくなります。
虫歯が痛くなってから治療するのと、定期的チェックで早期発見して治療するのでは大きな差がでます!
具体的には…
・麻酔の必要量(小さい虫歯なら麻酔なしでも処置完了できてしまうこともある)
・治療期間
・かかる費用
・治療した歯の寿命
などにおいて大きく差がでます。皆さん、ぜひご自身のために定期的に検診にご来院ください!
当院で扱うお口のお手入れグッズ(一部をご紹介)
チェックアップ
歯科専売歯磨き粉。研磨剤成分が少なく、フッ素が多く含まれています。
540円
子ども用(フルーツ味など)
260円
歯ブラシ各種
歯ブラシ各種ございます。
・通常の方が用いるべき歯ブラシ
・歯周病に対応した毛先の細い歯ブラシ
・矯正中などに用いるワンタフトブラシ
などございます。用途に応じてご相談ください。
110円~330円
デンタルフロス
手指で扱う糸ようじです。
760円
コンクール・ジェルコート
歯周病菌の殺菌能力が高いうがい薬(コンクール)と歯磨きジェル(ジェルコート)です。
当院おすすめ!
各々1080円
音波ブラシ:プリニア
歯周病の加速因子、バイオフィルム(口腔内のヌメリ)も刷掃できる超音波によるブラッシングを可能にするブラシです。
9500円
歯間ブラシ各サイズ
歯ブラシでは届きにくい歯と歯の隙間を徹底的にお掃除できる器具です。各サイズございます。
540円
予防歯科のQ&A
Q1:キシリトールって虫歯予防効果があるのですか?
はい。キシリトールはイチゴやプラムなどに多く含まれている糖アルコールの一種で糖質の中でも砂糖と並んで最も甘味が強いものです。工業的には白樺や樫の木などに含まれるキシランという食物繊維を原料として作られています。
虫歯菌であるミュータンス菌は糖を食べてネバネバした多糖体と酸を作ります。ところがミュータンス菌は例外的にキシリトールを分解できません。このためまったく酸を産生せず、ネバネバも作らないだけでなく、ミュータンス菌はキシリトールを吸収しているうちにほかの糖を発酵させる能力もなくなって発育しなくなってしまいます。さらに長期間、くりかえしキシリトールを食べているとミュータンス菌でありながら虫歯を作る能力のない性格のミュータンス菌が増えるという報告もあります。何ヶ月かキシリトールのガムを噛んでいる人はガムを噛むのをやめても長期間効果が持続するという研究もあります。
このようにいいことばかりのキシリトールですが過信しすぎて肝心の歯磨きがおろそかになってしまう人がいますので注意しましょう。また、キシリトールは消化、吸収されにくいものなので食べ過ぎると下痢を起こす可能性があります。食べ過ぎにも注意してください。
Q2:PMTCと一般的なクリーニングの違いは?
一般的なクリーニングは歯石を取るだけですが、PMTCは虫歯や歯周病の原因ともなるバイオフィルム(最近の塊である口腔内のヌメリ)も取り除きます。歯石を取るだけではPMTCほどの歯周病予防効果はえられません。
Q3:虫歯予防処置のあとはなぜ30分間飲食禁止なのですか?
フッ素を塗布したあとは歯質に浸透するまで一定の時間がかかります。すぐに飲食をするとせっかく塗ったフッ素が歯質に取り込まれる前に洗い流されてしまいます。約30分あれば十分に歯に浸透します。
ひとたび歯質にとりこまれればフッ素は虫歯予防効果を発揮してくれます。
Q4:子どもの虫歯を予防したいのですが…
お子さま自身の歯磨きだけで済ませるのではなく、必ず仕上げ磨きをしてあげてください。乳歯や生えたての永久歯は大人の歯よりも虫歯になりやすいため、歯磨きはもちろんのこと、食生活にも気をつけましょう。だらだらと物を食べ続けてしまうと虫歯になりやすくなってしまいます。食後は極力歯ブラシ。できない場合でもせめて口をゆすぐようにして、口腔内に食べ物カスが停滞している時間を最小限にしましょう。
Q5:フッ素には毒性があると聞きましたが大丈夫なのでしょうか?
フッ素は天然に存在するものなので濃度が適正であれば体に害はありません。
しかし、食塩(塩化ナトリウム)が体にとても重要な物質でありながら過剰に摂取すると高血圧などの問題を引き起こすようにフッ素イオンもあまり大量に摂取すると有害です。
間違って多く摂取すると(フッ素入り歯磨き粉を一気に4~5本)急性中毒が起こります。
現在歯科医院で使っている濃度や頻度、歯磨き粉に入っている濃度であれば問題はありません。